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〜初ゑんま詣〜
- お正月の16日は、7月16日とならび閻魔さまとのご縁を結ぶ斎日です。
- [開催日時]2025年1月11日(土)〜13日(月・祝)・16日〈木〉(4日間)…午前9時〜午後4時まで
- [縁日法要]新年閻魔斎日法要…期間中、いずれも午前8時半〜
- [授与お札・朱印]
①新年厄除け「八方睨み閻魔札」の授与
③絵師だるま商店による直書き御朱印の授与
④絵十王「秦広王」黒メタリック見開き直書き御朱印の授与
⑤見開き かるた風墨書朱印 閻魔殿(えんまでん)の授与
⑥見開き かるた風墨書朱印 参議篁(さんぎたかむら)の授与
※但し、限定数での授与となりますので、その点ご承知おきのほど願います。 - [お札等志納料]
①新年厄除け御札…ご志納料1,500円
②「八方睨み閻魔札」専用額…ご志納料3,500円
③(1月12日限定)絵師だるま商店による直書き御朱印授与…ご志納料2,000円 ※朱印帳をご持参ください
④十王「秦広王」黒メタリック見開き直書き御朱印授与…ご志納料1,500円
⑤見開き かるた風墨書朱印 閻魔殿授与…ご志納料1,000円
⑥見開き かるた風墨書朱印 参議篁授与…ご志納料1,000円
- [拝観志納料]一般800円(高校生以上)・中学生500円・小学生400円
- [拝観内容]
- ・藤原期(平安後期)作の秘仏・重文本尊薬師如来像の新春特別開帳
- ・閻魔大王像(伝・小野篁卿作・平安時代)や小野篁卿像(江戸時代)等の公開
- ・十王図屏風(江戸末期)の公開ほか地獄絵図の公開
- ・美人画巨匠「上村松園」の秘蔵画「多から舩」の公開
- ・小野篁卿「冥途通いの井戸」の公開ほか
そもそも閻魔王のルーツはインド神話のヤマ神とされ、ヤマ神は人間の祖ともいわれていますが、人類最初の死者となったことより冥界に行き、死後の世界を支配するとともに、死者を生前の行為に従って賞罰をつかさどる神となって、人々に恐れられる冥府(冥土)の王となったとされます。また仏教に取り入れられてからは、密教において十二天のひとりの閻魔天となり、仏界を警護する「天」という種類に属する仏として、南方の方位を守る護法神とされました。そして、この閻魔天が中国において道教の冥界思想とも融合して閻魔庁の総司である閻魔大王となったとされます。その結果、わが国には、閻魔天と閻魔大王の両様がもたらされましたが、「閻魔天」は平安時代に「閻魔大王」の方は鎌倉時代以降、浄土教の隆盛とともに冥界の十王のひとりとして、十王信仰の浸透とともに知られるところとなりました。この閻魔天(閻魔大王)の斎日が、正月の16日と7月の16日だといわれ、俗に『地獄の釜の蓋が開く日』とされています。
仏教では、この斎日に身(身体)、口(言語)、意(心)の三業(三つの行為)、つまり心身を清浄にして、仏の教える五戒を守り、故人への冥福を祈るとともに、この世に生ある自分自身も、延命とともに除災・除病を祈れば、その功徳は大なる日になるとされています。本年もこのご縁日のよき日に例年どおり、持ち前の神通力により夜毎冥府へ通ったと伝わる小野篁卿自らの彫像とされる閻魔大王像の宝前にて期間中は斎日法要を厳修し、信者各位の浄福とともに無病息災を願っての御祈願をさせていただきます。このご縁日の4日間は、閻魔堂にてご祈祷の『八方睨み閻魔護符(お札)』とともに、新年の特別朱印の授与もさせていただき、皆々様の新年の御萬福、御多幸をお祈りさせていただきます。
新春の、何かとご多忙の折とは存じますが万障お繰り合わせの上是非ともご参詣いただき閻魔様のこのありがたきご功徳により多くの方が浴されんことを心より願うものであります。
住職 合掌
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上村松園「多から舩」
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- 重文 本尊薬師如来坐像
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- 十王図六曲屏風
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- 〈左〉碧真宮図 〈右〉太和宮図
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- 熊野観心十界図
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- 小野篁像
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- 閻魔大王像
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- 冥途通いの井戸
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- 黄泉がえりの井戸
◆ 記念朱印の授与
期間中は例年どおり、「見開き金屏風仕立墨書御朱印(2種…閻羅王・冥官篁)」を授与させて頂くとともに、1/12の1日に限っては、だるま商店の絵師による対面直書き朱印の授与をさせていただきます。
〜御祈祷札と見開きかるた風墨書朱印等の授与の授与〜
- 新年厄除け「八方睨み閻魔札」
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(志納:1,500円)
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新年厄除け「八方睨み閻魔御札」
(令和6年に授与させていただいた古いお札は当日ご用意した納札所の方にお納めください。) - 「八方睨み閻魔札」の専用額
- (志納:3,500円)
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御札専用額(サイズ:外寸470×370㎜)
- 絵師だるま商店による直書き御朱印授与
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(志納:2,000円)
※期間中12日限定 -
※朱印帳をご持参ください
- 十王「秦広王」黒メタリック見開き直書き御朱印
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(志納:1,500円)
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2026年からは下図の十王「初汪王」から順に頒布いたします
令和8年初ゑんま詣授与(初汪王)
令和9年初ゑんま詣授与(宋帝王)
令和10年初ゑんま詣授与(伍官王)
令和11年初ゑんま詣授与(閻魔王)
令和12年初ゑんま詣授与(変成王)
令和13年初ゑんま詣授与(泰山王)
令和14年初ゑんま詣授与(平等王)
令和15年初ゑんま詣授与(都市王)
令和16年初ゑんま詣授与(五道転輪王)
『「十王朱印」授与の意義について』
人間の死後の世界は、永遠の謎であり、物理的には説明できない精神世界といえますが、仏教では、この死後の世界を独特の死生観と輪廻思想でもって説いています。
それは現世の業(ごう)(心や言語のはたらきを含める善悪の行為をいう)により、天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄の六つの世界に生まれ変わるということです。
さらに、仏教では、死んでから次に生まれ変わるまでの間(四十九日間)は、霊がさまよっている状態にあるとします。
その期間を中陰(ちゅういん)(中有(ちゅうう)ともいう)といい、この期間こそ、生前の罪を裁く十人の王(十王という)による裁判が行われる審理期間とされています。
この十王は、インドにおける地獄思想の支配者である閻魔大王と中国における泰山冥府信仰とが習合してイメージ化されたものですが、特に中国唐代には十王信仰としてひろく盛んとなす、『預修十王生七経(よしゅうじゅうおうしょうしちきょう)』という経典で十王の存在が細かく描き出され、信仰を一層発展させました。
この十王信仰は、日本では、平安時代末期には中国から伝えられ、『仏説地蔵菩薩発心因縁十王経(ほっしんいんねんじゅうおうきょう)』という偽経(ぎきょう)(後世に偽作した経典)が先の『預修十王生七経』を参考に作られました。
それは、特に当時末法(まっぽう)の暗黒の世を向えており、また武士の抬頭から戦の日が続き民衆にとっては現世が地獄そのものであり、来世には対する救いを切望していた時期であったことも影響して死後の十王の裁きを知り、魂の救いを失った人びとは自分の罪の重さに恐れおののいたことは想像できますし、来世への一種の絶望感さえも味わせたに違いありません。
ただ、この『預修十王生七経』は、もともとは「生前に自分の死後の安泰をそれぞれの王に願う」という内容のもので、生前供養の大切さを説いたものとされていました。
ですから、死後にその者の罪科を審理する裁判官という役割ではなく、現在考えられている死後の旅路の概念は、日本において源信(げんしん)の『往生要集(おうじょうようしゅう)』にまとめられた概念などをもとに追善供養の習慣も融合し日本的にアレンジしたものであるともいえます。
そして、鎌倉時代には、冥界の十王それぞれが本地仏を持つという考え方が定着しました。
したがって、十王がいかに亡者の悪事を断罪するかが任務のように思えますが、その裁きぶりには少しでも罪を軽くできる要素をみつけ、よりよい六道の世界へと導こうとする慈悲心が込められているとされています。
人の罪を暴きたてる恐怖の裁判官という十王たちの裏には、慈悲深い仏の顔があると考えられるようになったわけです。
また一方で人びとは、この恐怖や苦患から逃れるために、極楽住生への願望を強め、仏教への帰依や信心を深めることにもなりました。
そして、この点こそ仏教に地獄思想や十王思想が定着し、大きな発展をとげる要因になったことも事実であります。
さて、そこで現代社会を見渡せば、眉(まゆ)を顰(ひそ)めたくなるような、欲望のおもむくままに他人の不幸を顧みない凶悪な犯罪が頻発(ひんぱつ)する世となっております。
だからこそ、今一度みなさまが「地獄観」や「十王世界」について改めて見つめ直す機縁にしていただくことは今日的意義が極めて大であると思う次第であります。
住職 敬白 - 見開き かるた風墨書朱印 閻魔殿
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(志納:1,000円)
- 見開き かるた風墨書朱印 参議篁
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(志納:1,000円)
◆ 御朱印帳の授与
「だるま商店」絵師による「閻魔大王」と「小野 篁卿」各姿絵等を最初のページに特別に描いた2種の『六道珍皇寺 改訂版 オリジナル朱印帳』も限定数にてご授与させていただいております。
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